大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和43年(わ)985号 判決

一、本店

大阪市都島区東野田町五丁目三番三九号

商号

京橋劇場株式会社

代表者

陸橋英洋

右住所

大阪市都島区東野田町三丁目四番二〇号

二、本店

大阪市都島区東野田町五丁目二番二九号

商号

大鳳産業株式会社

代表者

陸橋英洋

右住所

大阪市都島区東野田町三丁目四番二〇号

三、本籍

大阪市都島区東野田町三丁目一六二番地の五三

住居

大阪市都島区東野田町三丁目四番二〇号

会社役員

陸鳳楼こと陸橋英洋

大正一〇年一〇月二八日生

右被告人三名に対する各法人税法違反および被告人陸橋に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官藤村輝子出席のうえ審理をとげ、つぎのとおり判決する。

主文

被告人京橋劇場株式会社を罰金一、五〇〇萬円に、

被告人大鳳産業株式会社を罰金四〇〇萬円に

処する。

被告人陸橋英洋を懲役一年および罰金三〇〇萬円に処する。

被告人陸橋英洋に対し、この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予し、右罰金を完納できないときは金二萬円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は全部被告人陸橋英洋の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

第一、被告人京橋劇場株式会社は、大阪市都島区東野田町七丁目一五番地に、被告人大鳳産業株式会社は、同町五丁目二番二九号に各本店を置き、各パチンコ遊技場等を営むもの、被告人陸鳳楼こと陸橋英洋は、右被告人京橋劇場株式会社並びに被告人大鳳産業株式会社の各代表取締役であって、その営業経理一切の業務を各総括掌理しているものであるが、被告人陸橋英洋は、

一、被告人京橋劇場株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

(一) 被告人京橋劇場株式会社の昭和三九年二月一日から昭和四〇年一月三一日までの事業年度において、所得金額が四一、三二七、四五九円、これに対する法人税額が一五、四二三、一〇〇円であるのに拘わらず、公表経理上、売上収入金の一部を除外する等の不正行為により、右所得金額中三一、七一五、四〇二円を秘匿した上、昭和四〇年三月三〇日、大阪市旭区旭税務署において、同署長に対し、右事業年度分の所得金額が九、六一二、〇五七円、これに対する法人税額が三、三七四、三〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出しよって、同年度分の法人税一二、〇四八、八〇〇円を免れ

(二) 被告人京橋劇場株式会社の昭和四〇年二月一日から昭和四一年一月三一日までの事業年度において、所得金額が四九、三八五、四二五円、これに対する法人税額一七、九五六、五〇〇円であるのに拘わらず、前同様の不正行為により、右所得金額中四〇、七二三、七七七円を秘匿した上、昭和四一年三月三〇日、前記旭税務署において、同署長に対し、右事業年度分の所得金額が八、六六一、六五五円、これに対する法人税額が二、八九五、七三〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって、同年度分の法人税一五、〇六〇、七〇〇円を免れ

(三) 被告人京橋劇場株式会社の昭和四一年二月一日から昭和四二年一月三一日までの事業年度において、所得金額が九一、七〇〇、一三五円、これに対する法人税額が三一、七七八、一〇〇円であるのに拘わらず、前同様の不正行為により、右所得金額中五一、八九二、九三〇円を秘匿した上、昭和四二年三月二九日、前記旭税務署において、同署長に対し、右事業年度分の所得金額が三九、八〇七、二〇五円、これに対する法人税額が一三、六一七、二三〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって、同年度分の法人税一八、一六〇、八〇〇円を免れ

二、被告人大鳳産業株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

(一) 被告人大鳳産業株式会社の昭和三九年一二月一日から昭和四〇年一一月三〇日までの事業年度において、所得金額が一四、〇七九、九七三円、これに対する法人税額が五、〇二九、二〇〇円であるのに拘わらず、前同様の不正行為により、右所得金額中一三、五六五、三六二円を秘匿した上、昭和四一年一月三一日、前記旭税務署において、同署長に対し、右事業年度分の所得金額が五一四、六一一円、これに対する法人税額が一五九、五二〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって、同年度分の法人税四、八六九、六〇〇円を免れ

(二) 被告人大鳳産業株式会社の昭和四〇年一二月一日から昭和四一年一一月三〇日までの事業年度において、所得金額が二五、三五九、六〇九円、これに対する法人税額が、八、七八八、六六五円であるのに拘わらず前同様の不正行為により、右所得金額中一九、一三六、六七五円を秘匿した上、昭和四二年一月三〇日、前記税務署において、同署長に対し、右事業年度分の所得金額が六、二二二、九三四円、これに対する法人税額が一、九一三、三二〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって、同年度分の法人税、六、八七五、二〇〇円を免れ

第二、被告人陸橋英洋は、大阪市都島区東野田町七丁目七一番地において「鉄板焼ゆたか」の名称で飲食店を個人経営しているものであるが、所得税を免れようと企て、

一、昭和四〇年度における所得金額は、一三、八一一、二六〇円、これに対する所得税額は、五、二〇六、一〇〇円であるにも拘わらず、正規の会計帳簿を記載せず、売上収入金の一部を除外し仮名預金口座に預入して秘匿する等の不正行為により、右所得金額中四、〇一六、九二〇円を秘匿した上、昭和四一年二月二二日、前記旭税務署において、同署長に対し、陸鳳枝名義で同年度分の所得金額が七三五、九〇〇円、これに対する所得税額が一五一、一二〇円、同年三月一二日、前同署において、同署長に対し、被告人名義で同年度分の所得金額が九、〇五八、四四〇円、これに対する所得税額が二、六七一、二一〇円である旨過少に分割した虚偽の所得税確定申告書を提出し、よって、同年度分の所得税二、三八三、七七〇円を免れ

二、昭和四一年度における所得金額は、一九、八七六、九二四円、これに対する所得税額は八、五一二、八四〇円であるにも拘わらず、公表経理上、売上収入金の一部を除外する等の不正行為により、右所得金額中八、六三四、五〇二円を秘匿した上、昭和四二年二月二三日、前記旭税務署において、同署長に対し、陸鳳枝名義で同年間分の所得金額が一、四〇二、〇四〇円、これに対する所得税額が二九一、八〇〇円、同年三月一三日、前同署において、同署長に対し、被告人名義で同年度分の所得金額が九、八四〇、三八二円、これに対する所得税額が三、〇三六、四四〇円である旨過少に分割した虚偽の所得税確定申告書を提出し、よって同年度分の所得税五、一八四、九七〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示第一冒頭につき

一、各被告人会社の法人閉鎖登記簿謄本および登記簿謄本

判示全部につき

一、被告人陸鳳楼こと陸橋英洋の検察官に対する各供述調書

一、陸桂森の検察官に対する各供述調書

一、第七ないし一〇、一三回公判調書中の証人陸桂森の各供述記載

一、陸氏盞の検察官に対する各供述調書

一、土肥康彦の検察官に対する供述調書

一、大蔵事務官田川昇作成の昭和四三年一月二〇日付調書

一、第二三、二四回公判調書中の証人土肥康彦の供述部分

一、第二五回公判調書中の証人陸氏盞の供述部分

一、第三七、三八、四一回公判調書中の証人田川昇の供述部分

判示第一、第二につき

一、張慶、上釜アイ子、岩城正美、岡田譲の検察官に対する各供述調書

一、第一四回公判調書中の証人張慶の供述部分

一、第三一ないし、三三回公判調書中の証人楊郁彬の各供述部分

一、第一五回公判調書中の証人岡田譲の供述部分

一、陸鳳枝の検察官に対する昭和四三年三月二八日付供述調書

判示第一につき

一、林庄吾の検察官に対する供述調書

一、林庄吾の収税官吏に対する各質問てん末書

一、岡田一郎の検察官に対する供述調書

一、岡田一郎の収税官吏に対する各質問てん末書

一、第一五回公判調書中の証人岡田一郎の供述部分

一、大蔵事務官赤松英他一名作成の昭和四二年七月一日付調査書

一、大蔵事務官赤松英作成昭和四二年三月一一日付、同二五日付各調査書

一、大蔵事務官小山和男他一名作成昭和四三年三月二五日付各調査書

一、大蔵事務官小山和男作成昭和四三年三月二五日付調査書

一、押収してある出玉入玉帳三冊(昭和四六年押第八七〇号の二七)

一、同二四冊(同号の二八)

一、同一三冊(同号の二九)

一、同一冊(同号の三〇)

一、同二枚(同号の三一)

一、押収してあるメモ一綴(同号の三八)

一、同二枚(同号の三九)

一、押収してある雑書綴一綴(同号の四〇)

一、押収してある給料、賞与袋一綴(同号の五五)

判示第一、一につき

一、堀勝の昭和四二年六月二一日供述書

一、第二六回公判調書中の証人寺方マスエの供述部分

一、第二九回公判調書中の証人浜田慶子の供述部分

一、押収してある麻雀卓別売上表綴二四綴(同号の三二)

一、押収してある麻雀卓別売上表綴一二綴(同号の三三)

一、押収してある売上表綴一九綴(同号の四一)

一、押収してある出玉入玉帳二冊(同号の四六)

一、押収してあるパチンコ機械裏メモ二綴(同号の四七)

一、押収してある手帳二冊(同号の五三、五四)

判示第一、一、(一)につき

一、押収してある総勘定元帳三冊(同号の一ないし三)

一、押収してある金銭出納帳三冊(同号の四ないし六)

一、押収してある売上帳一冊(同号の七)

一、旭税務署長白井政男作成の証明書(京橋劇場株式会社昭和四〇年一月期に関するもの)

判示第一、一、(二)につき

一、押収してある総勘定元帳三冊(同号の八ないし一〇)

一、押収してある金銭出納帳三冊(同号の一一ないし一三)

一、押収してある売上帳一冊(同号の一四)

一、旭税務署長白井政男作成の証明書(京橋劇場株式会社昭和四一年一月期に関するもの)

判示第一、一、(三)につき

一、押収してある総勘定元帳三冊(同号の一五ないし一七)

一、押収してある金銭出納帳三冊(同号の一八ないし二〇)

一、押収してある売上帳一冊(同号の二一)

一、旭税務署長白井政男作成の証明書(京橋劇場株式会社昭和四二年一月期に関するもの)

判示第一、二につき

一、押収してある麻雀卓別売上表綴二綴(同号の三四)

一、同一二綴(同号の三五)

一、同一〇綴(同号の三六)

一、押収してあるサービス、ピース受払帳一冊(同号の四二)

一、押収してある計算書一綴(同号の五二)

判示第一、二、(一)につき

一、押収してある総勘定元帳一冊(同号の二二)

一、押収してある売上帳一冊(同号の二三)

一、大蔵事務官森田琢磨作成昭和四四年三月四日付証明書

一、旭税務署長白井政男作成の証明書(大鳳産業株式会社昭和四〇年一一月期に関するもの)

判示第一、二、(二)につき

一、押収してある総勘定元帳一冊(同号の二四)

一、押収してある売上帳一冊(同号の二五)

一、旭税務署長白井政男作成の証明書(大鳳産業株式会社昭和四一年一一月期に関するもの)

判示第二につき

一、陸鳳枝の検察官に対する各供述調書

一、第二一回公判調書中の証人木田汰の供述部分

一、陸君代こと陸湯君代の収税官吏に対する質問てん末書

一、国税査察官田川昇作成昭和四三年一〇月四日付調査書

一、大蔵事務官近永哲夫作成昭和四二年一一月一三日付調査書

一、大蔵事務官杉岡啓司作成昭和四二年一〇月二〇日付調査書

一、押収してある総勘定元帳一冊(同号の一〇)

一、押収してある総勘定元帳一冊(同号の二六)

一、押収してある記録帳二冊(同号の四三、四四)

一、押収してあるメモ一綴(同号の四五)

一、押収してある名畑商店売掛金元帳七綴(同号の四八ないし五一)

一、旭税務署長白井政男作成の証明書(陸鳳楼および陸鳳枝の各昭和四〇、四一年度分に関するもの)

ちなみに、本件の別口損益計算書および脱税額計算書は別紙一五ないし二三のとおりである。

(主なる争点についての判断)

本件の推計課税は、平均値課税に該るものであり、その検定は仮名の普通預金の入金額の検討であって財産増減法ではない。

そして、本件の様な場合の平均値の合理性は、資料が多いこと、資料の正確性、資料の選定基準の合理性などが担保されれば充分存在すると思料される。

一、そこで、個々の売上除外金額の算定方法について検討する。

(一)  パチンコ店の売上推定について

1. 検察官が京一パチンコ店については昭和四〇年一月期及び昭和四一年一月期の各売上高を物証のある昭和四〇年六月一六日から昭和四一年一月三一日の間の売上除外率一三・四六一%に基づいて、また新京一パチンコ店については昭和四〇年一一月期の売上高を物証のある昭和四一年一月一日から一一月三〇日の間の売上除外率七・四〇一%に基づいてそれぞれ推定計算していることは弁護人主張のとおりである。(物証については別紙一物証一覧表参照)。

2. ところで検察官が売上除外の算定の基準としているのは出玉上玉計算ノートに付された「レ」印であるところ赤色の「レ」一個が玉一、〇〇〇個を表わすことについては問題がないが青色の「レ」印については楊郁彬が第三三回公判調書(第五冊)において、玉五〇〇個と証言しているので検討する。

(1) 京一パチンコ店関係

イ 押符二八の一号「玉出入ノート」を検討すると青のレ印について例えば昭和四〇年六月二七日機械No.一〇は四を消して一、〇〇四と機械No.一〇六は七を消して一、〇〇七とそれぞれ書き改めた形跡があり、また、同年六月三〇日機械No.一七は一七を一、〇一七と書き加えた跡が、さらに同日機械No.五七は一、一一九を二、一一九と書き直した跡がまた同日機械No.七八は一、二五五を二、二五五と書き改めた跡が窺れるなど青レ印一個が玉一、〇〇〇個を表わしているものと認められる。

ロ しかし押符四六の二号を検討すると昭和四一年六月二三日機械No.五は一六三を六六三と直して青レ印一個が付されており、同様に同日の機械No.三二、二一二、三六二も「一」を「六」に改めた跡が見受けられるほか、同日の機械No.二〇七は八二二を一八二二として青レ印二個が付されており、さらに押符四七の二号「機械裏メモ」と対照してみると昭和四一年七月一日はノートの記載が六三八で青レ印一個となっているのに対し、機械裏メモは一三八と記載されていることなどからも青レ印一個は玉五〇〇個と認めるのが相当である。このことは押符四六の一号についても同様である。

ハ 次に押符二八の二三号を検討すると青レ印のあるのは四カ所であるが、百位の数を書き改めている痕跡が見受けられるので青レ印一個当り玉五〇〇個として計算するのが相当である(尤も玉五〇〇個として再計算した結果も除外玉数五〇、〇〇〇個となり検察官主張額と同一となる)。

ニ 以上の結果、京一パチンコ店の売上除外額は別紙二のとおり昭和四二年一月期について七三、〇〇〇円減少する。

(2) 新京一パチンコ店

イ 押符二九の六号「出玉入玉帳」を検討すると昭和四一年六月二六日の機械No.一一は八九三を三九三と書き改め機械No.二二、三七、三八、七〇、七一は百位数の「五」を抹消した痕跡が認められるなど青レ印一個は玉五〇〇個と認めるのが相当と考えられる。

ロ よって青レ印一個を玉五〇〇個として計算すると昭和四一年六月の売上除外額は別紙二のとおり一二、〇〇〇円減少し、昭和四一年一月一日から一一月三〇日の間の売上除外率も七、四〇一%から七、三九一%に低減するため、昭和四〇年二月七日の推定売上除外額も一〇、〇〇〇円減少することとなる。

3. 京一パチンコ店及び新京一パチンコ店における売上除外の時期、程度について

イ 売上除外を始めた時期について被告人は査察官に対し、昭和四〇年夏頃ないし四〇年六月頃と答え(第六冊、昭四二、一、一八日付質問てん末書問三答昭四二、一二、五日付質問てん末書問三、四答)陳桂森も検察官に対し昭和四〇年六月頃と述べ(第五冊、昭四三、三、一五日付検面調書十六、昭四三、三、二九日付検面調書一)、また法廷でも四〇年の梅雨時と証言している(第一冊、第七回公判調書)が、その根拠はその頃京阪電鉄の工事の計画がニュースとして流れたというに過ぎず、他方楊郁彬は売上の一部を抜くようになったのは証人が辞めるどの位前からかとの問に「辞めたのは昭和四一年七月ですから、二年前の昭和三九年頃からです」と答え(第五冊、第三二回公判調書)張慶は「時期ははっきりしませんが、四、五年前頃からと思いますが、陳常務よりノートにつける個数を実際より少くつけるようにいわれました」旨供述している(第五冊、昭四三、三、二五日付検面調書八)。従ってこれらによると京一パチンコ店が店舗を拡張した昭和三九年八月頃から売上除外がなされていたことが認められる。そこでこのとき以前が次に問題となる。

ロ 被告人は検察官に対し、銀行預金を調査した結果によると七、八年前から架空人名義の預金があることが判るが古くから売上を除外していたのではないかとの問に「それは判りません。いつ頃からはっきりしません」と答え(第六冊、昭四三、三、一五日付検面調書三)また、協和銀行西宮支店に三七年頃から仮名の普通預金があるかどうかとの問に「私は売上を除外していたこと、そしてその金を預金していたことは認めますが預金の種別や名義は判りませんし、三七年という年のことについても判りません」と答えている(第六冊、昭四三、三、一六日付検面調書二)。しかしながら、京阪電鉄の京橋駅移転の問題は噂としては相当古くからあり(同昭四三、三、一五日付検面調書九)被告人自身預金の種別や名義は別としても、協和、住友、大和、関西相互の各銀行に預金があり、これらの預金を降して各店の増改築や土地建物の購入等の支払にあてたことについては十分認識があり(同昭四三、三、一五日付検面調書六-八なお昭四三、三、一八日付検面調書一)かつ、売上を除外した金を入金していたと見られる協和銀行西宮支店の仮名普通預金の入金額をみると京一パチンコ店が増改築のため休業した昭和三九年七月の入金額が大巾に減少していること(別紙三参照)などの点を総合すると少なくとも本件起訴対象年度の最初から継続して売上除外がなされていたものと認めるのが相当である。

ハ 売上除外の方法、程度について被告人は「具体的にどのような方法でこれをやっていたのか陳常務にまかせていたので私には判らない」といい(昭四三、三、一五日付検面調書九)陳桂森はその日の売上高から「そのときの気持によってやった」旨証言している(第一冊第八回公判調書)。

たしかに、日々の売上高と売上除外額を対照してみた限りではその間に規則性は認められないけれども両パチンコ店の公表に計上した売上高と商品仕入高の割合はいずれも八一-八三%と類似した数値を示しており他方京一パチンコ店の売上除外の物証の存在する期間について売上除外額を含めた総売上高に対する商品仕入の割合も七二-七三%と安定した数値を示している(別紙四参照)。そして両パチンコ店については明らかに商品仕入割合に較差があるにもかかわらず、公表に計上された仕入割合が類似していることは事業年度間の商品仕入割合がほぼ一定の数値になるように売上除外額を調整していたと推認することができる。そして商品仕入高に対する売上除外前及び後の売上高の割合が一定であれば売上除外率もまた一定となることは計算上明らかである。

以上に照らせば、パチンコ店に関する検察官の売上除外額の推定計算は、その資料の量、正確性、選定基準の合理性からみて肯認できるものである。

(二)  麻雀店の売上推定について

両マージャン店の売上除外について、月の三分の二以上の日数について物証の存在するのは、京橋劇場(株)、大鳳産業(株)とも昭和四〇年一二月以降であるけれどもそれ以前の各月の大部分についても断片的な売上除外の形跡は認められ、しかもその売上除外率は物証の存在する期間の平均売上除外率を上回っているのであるから、後者によって売上高を推定した検察官の主張額は前記同様合理性があると認めることができる。

(三)  銀楼ホテルの売上推定について

銀楼ホテルの売上除外について物証の存在するのは昭和四〇年一二月三日分(押符三八号メモ)と昭和四二年一月三、五、九、一一、一三日分(押符三七号メモ)のみである。同ホテルの支配人であった半田久男は検察官に対しては「昭和三八年頃陳常務に売上金の一割見当を別に書き封筒に入れて届けてくれと言われた」旨供述しているが(第五冊、昭四三、三、二五日付検面調書五)公判廷ではこれを全面的に否認している(第三冊、第一五、一六回公判調書)。

ところで押符三七号メモ記載の本勘定に計上予定の金額と押符一六号総勘定元帳記載のホテル売上金とは異なっているのであるから、問題は右の六日間の売上除外記録だけによって三年分の売上除外額を推定するに十分かどうかである。

証人田川昇は売上除外率の計算について、シーツとかクリーニング代とかそうしたものからある程度の裏付け計算はしたかとの問いに「一応計算の試みはやっていました」旨答えているがその結果は明らかでない(第六冊第三八回公判調書)。

してみると、他に推定資料のない以上、前記資料は余りにも量が不足しているといわざるを得ず、しかしてこのホテルの売上除外額に関する推計は不可能と断ぜざるを得ない。

(四)  新京一玉突店の売上推定について

新京一玉突店の売上除外についての物証は昭和四一年一〇月二六日~一一月二五日間のメモ(押符三九の二号)及び昭和四〇年一二月三日分のメモ(押符三八号)だけである。

しかしながら新京一玉突の売上状況については玉突部の責任者岡田一郎の比較的具体的な供述があり(第三冊、昭四三、三、二五日付検面調書三、昭四二、一、一七日付質問てん末書問一一答)、例えば売上は一日にいくらぐらいかとの問に大体一万六千円から一万八千円位ですと答えている。これは検察官主張の売上額一日平均昭和四〇年一一月期一九、八一九円、四一年一月期一八、三九一円に較べやや少ないが(別紙六)、新京一玉突の売上除外は伝票を破棄することによってなされているところ(第五冊、昭四三、三、二三日付陳桂森検面調書二)、検察官の主張額は一カ月間の実績に基づくものであり、かつ検察官が売上除外率の算定の基礎とした昭和四一年一一月は売上計上額の少ない方の月に属することなどを併せ考えると検察官の推定計算は推定資料についての前記要件を充しておるものと認められ、従って合理性があるものと判断するのが相当である。

二、以上の合理性を肯認した推計額は、つぎのことによっても裏づけられる。

すなわち、京橋劇場(株)及び大鳳産業(株)の売上除外額と仮名普通預金への入金額とを対比してみると別紙五となるのであるが、この仮名普通預金の入金額の動きを見ても前記認定の売上除外額が過大であると認められないし、また陳桂森の検察官に対する昭和四三年三月二九日付供述調書によれば、特定の時期に特定の店の営業が悪いので売上げを除外しなかったということはなく、また特に営業成績が伸びている期間除外額を大きくしたという店もなかったことが認められるからである。

三、弁護人が本件除外売上額の推計に関して主張している点につき検討してみる。

1. 弁護人は、京一パチンコ店が昭和三九年七月一一日から八月一一日まで休業して店舗の増改築をなし、機械台数も四一〇台にふえたが、新装開店の場合特に出玉率をよくして客を誘引しなければならないのは常識である旨主張している。

しかし、京一パチンコ店の公表帳簿を検討してみても新装開店後の一カ月間の原価率が特に高かったというような形跡はなく、(別紙四参照)通常定期的に機械を入れ替えてなされる「新装開店」の場合と特に異なった取扱をなすべき特段の事情も見当らない。

2. 弁護人は林庄吾の質問てん末書の答えを引用して「どこの店とも売上げが減りましたので一日一枚という日が多かった」旨を特異な事情としている。

しかし、林庄吾は同じ質問てん末書において昭和四〇年一二月分の麻雀卓別売上表を示されて、査察官の「ブー麻雀は一日一枚という日が大部分で二枚という日は五日しかありませんが」との問いに「四〇年一二月といえば麻雀の設備を増設したときでまた粛正のあった頃ですから、はっきりした記憶はありませんが少なかった事は事実です」と答えている(第五冊昭和四二、六、一九日付質問てん末書問四答)のに一二月四日のブー麻雀の売上表は一枚しかないけれども同日六一、七六〇円の除外がなされていることは押符三八号メモに照らして明らかであるから前記認定の平均値を不合理ならしめる程の特異性とすべき事情に当らない。

3. 試料の正確性と題して弁護人は出玉入玉集計ノートに付されたレ印に疑問があり、その理由として右ノートは釘師に見せるためのもので、従業員が自由に見ることができるような状態で保管されており、又被告人や陳桂森の台湾旅行中にもレ印が付されている点をあげている。しかしこの点に関する弁護人の主張の失当であることは検察官の主張のとおりである。

4. 弁護人は試料に平均性が欠ける。もし、売上除外率が各年度を通じ大体変らないというのであれば、具体的に数値を示して何パーセントと見込んでいたかという供述が当然得られる筈であるばかりでなく、毎事業年度末近くには見込除外率との調整が行われた筈であるのにそのようなことは片鱗すらない旨主張する。

しかしながら、パチンコ店の場合その原価率が毎年ほぼ一定となるように売上計上額が調整されていると認められるところ、経営方針等に特段の変化がない限り実際の原価も安定した数値を示すのが普通であるし、麻雀については売上表を除外する方法によると、その売上表に記載されていた売上高には自ら金額的に限度があるから比較的類似した数値を示すといえるから、その合計額の公表売上高に対する割合による推定もまた一定の率を示すと認められる。従って右主張自体失当である。

5. 弁護人が売上除外における行為者の心理と題して主張するところについては、何らの立証がない。逆に右主張に反する事実が本件には存在する。

たとえばパチンコ店について、張慶は青レ印について「それは逆にマイナスをふやしとるんですよ。……プラスの方だけじゃ引き切れないから今度はマイナスの方で引くわけです。」と述べており(第二冊、第一四回公判調書)、また押符三八号メモを見れば昭和四〇年一二月四日京一パチンコ店の売上高は八一六、一七〇円であるのに、景品交換高は八二七、八一〇円で差益は約一一、〇〇〇円の赤字となるけれども同日二万円の売上除外がされている。

また、麻雀について言えば、弁護人が売上低調時と主張される昭和三九年五月においても売上の除外は売上表を除外することによって行われ、その除外額も平均除外率を上廻っていることは明らかである。

四、受取利息について

資産から生ずる収益については、一般にその資産の所有者にその帰属を認めるべきであるが、本件のように両被告人会社の売上除外による現金が両法人の代表者の妻によって混然一体として別口普通預金等として運用保管されている場合にはどの様に解すべきか問題になる。本件においては、被告人陸橋英洋は両被告人会社の代表者であるのみならず、経済的にも社会的にもその実質的所有者であり、いわば両会社とも被告人陸橋の個人営業としての実体を有しまた、この除外した現金は同被告人において必要な都度両会社のために使用され、また本件当時は被告人京橋劇場(株)の移転等の準備資金として預金していたことが認められるから、検察官主張の様に除外現金は同会社のものとして運用されたと考え、被告人大鳳産業(株)は被告人京橋劇場(株)に対する仮払金として除外分を処理しているとなすのが事案の実体にも合致し相当な処理といえる。ちなみに、仮払金額は収入除外額より簿外経費総額を差引いた残額である。

五、簿外賞与について

(一)  弁護人は簿外賞与について京橋劇場(株)は各事業年度三七五、〇〇〇円、大鳳産業(株)は昭和四〇年一一月期一八五、〇〇〇円昭和四一年一一月期一九五、〇〇〇円の支払があった旨主張している(第五冊、昭五〇、九、二五日付主張)。

簿外賞与に関する検察官の主張は両法人とも各事業年度を通じ各二〇万円であるところ、弁護人の主張額は検察官主張額をも含んだものであり、(第五冊、第三六回公判調書)、従って、大鳳産業(株)については検察官主張額が弁護人主張額を上廻っている。

(二)  被告人は弁護人作成の賞与支給一覧表につき、大体私の記憶によって作られたものである旨供述している(第六冊、第四三回公判調書)。

しかし、被告人は検察官に対しては「特に会社に功績のある幹部につき規程で計算した金額のほかに私のポケットから賞与として加えて渡しているが、誰でもという訳ではなく、また毎回同じ人に渡しているとも限らない」旨答え(第六冊昭四三、一、二九日付質問てん末書問三、四答)林庄吾は「社長から別に貰うことは給料についてはなく賞与の支給されたとき以外には無かったと思う。しかし必ず賞与のとき貰ったということではなく貰わないときもあった。社長から別に貰ったときは必ず「メモ書き」があり貰わないときは「メモ書きがない」旨答えている(第五冊昭四二、二、二九日付質問てん末書問三答)。

(三)  押符五五号(給料袋)中の賞与袋には必ずしも支給時期が明らかでないものもあり、また「メモ書き」のない分もある。押符四〇号の一枚目の記載も「別口」が簿外賞与を表わすかどうか必ずしも明確ではない。

結局この問題は右質問てん末書の記載と被告人の公判廷での右供述とのいずれかより正確性が高いかに帰着するが、右質問てん末書の方が時期的にも早く、王武章や張慶にも尋ねるなど一応調べた上で答えている点などを考えると公判廷の右供述よりも信用できる。

六、お手伝の給料について

(一)  証人寺方マスエは昭和四〇年春頃から陸橋さんの処で働くようになったこと、会社の仕事と社長の家庭の仕事の割合は半々位であった旨証言し、月給の額は忘れた旨答えている(第五冊、第二六回公判調書)。

(二)  証人浜田慶子は昭和四〇年夏頃京橋劇場に入り炊事婦となったが、一年か一年半位してから廊下や庭の掃除などするようになったが、それはたまたまで食事の仕度や洗濯はしたことがない旨及び給料が二万円位であった旨証言している(同、第二九回公判調書)。

(三)  しかし、右各供述部分は、陸氏盞が寺方マスエは二年程前から私方に勤めており、昨年四月から六月頃まで一時やめておりましたが、又戻ってきて私方で女中をしています。このほか昨四二年始めから初めて女中を二人置き中島慶子を雇った」旨供述している(第五冊、昭四三、三、一五日付検面調書二)のと対比し、また前記両人の査察官に対する質問てん末書(第三二八条書面)の答に照らし信用できない。

(四)  ただ、検察官主張の給料の額については浜田慶子の給料が月二万円位という証言以外にないが寺方マスエについても月二万円程度と推認するのが相当である。

そうすると京橋劇場(株)の給料否認額は、

昭和四一年一月期 二〇、〇〇〇円

昭和四二年一月期 二六〇、〇〇〇円(寺方マスエ 二四〇、〇〇〇円 浜田慶子 二〇、〇〇〇円)となる

七、鉄板焼「ゆたか」の所得の帰属

弁護人は鉄板焼「ゆたか」の所得が陸鳳枝こと陸橋良信に帰属する旨主張しているので検討する。

鉄板焼「ゆたか」の営業名義人及び建物の所有名義人が陸鳳枝であること、近畿相互銀行京橋支店からの借入金八〇〇万円が被告人所有の土地を担保として陸鳳枝名義でなされていること所得税の確定申告書が陸鳳枝名義で提出されていることは陸鳳枝の証言(第三冊第一九回公判調書)旭税務署長証明書(第二冊)建物登記簿謄本により認めることができる。

ところで「ゆたか」の実際の営業面について陸鳳枝が直接たずさわっていた形跡はなく、また経営状態の報告を受けることもなく、所得税の申告も陳まかせであったことが認められる(第五冊、昭四三、三、二二付木田汰検面調書二、昭四三、三、二五日付陸氏盞検面調書、昭四三、三、二三付陸鳳枝検面調書、同人第一九回公判調書中の供述)他方、経営面の実際上の指揮を被告人がしていたことは売上除外について土肥康が被告人の了解を得て行なっていること(第五冊昭四三、三、二二日付土肥康検面調書三)、ゆたかの支払小切手の押印は被告人がしており(第三冊木田汰第二二回公判調書)、ゆたかの売上金は陸氏盞が受取っていた(第三冊土肥康第二三回公判調書第五冊昭四三、三、二八日付陸鳳枝検面調書三)こと等から明らかである。

弁護人は陸鳳枝が贈与税の申告をしている旨主張するが贈与税の申告があったのは起訴後の昭和四四、四、九日に至って初めて昭和四〇年分の申告書が提出されているのであって、この事実をもって「ゆたか」の経営者が当初から陸鳳枝であったとすることはできない。

尤も「ゆたか」は元々陸鳳枝が経営するという前提で始められたものの様であるが(第五冊昭四三、三、二三日付陸鳳枝検面調書末尾、第三冊昭四二、一、一七日付陸湯君代質問てん末書二答)このことをもって陸鳳枝が実質上の経営者であったとする訳にもいかない。結局、実質上の経営者は被告人の検察官に対する昭和四三年三月一五日付供述調書のとおり、被告人であると認めるのが相当である。

八、「ゆたか」の所得金額の算定について

(一)  検察官の売上除外額の推定は昭和四一年の九月、一一月(二二日間)及び一二月の実際売上額(押符四三-五号)と公表に計上された各月の売上額とから売上除外率を求め、最も率の低い九月分の四一、二三%によって残りの各月の実際売上高を推定計算したものであるが、推定計算後の各月の売上高と酒類仕入高との割合の推移と検討しても(別紙九)また関西相互銀行京橋支店の預金の入金額と対比してみても(別紙一〇)四一年分については不相当な点は見受けられないので合理性があるものと考えることができる。

(二)  昭和四〇年分については検察官の売上推定は昭和四一年分の売上と酒類仕入高との各月の割合と昭和四〇年分の酒類仕入高とによって計算がなされているところ、弁護人は「ゆたか」の開店初期においては客寄せのためビール券を配った事実があるのにこれを無視して計算がなされている旨主張するので検討する。

イ 土肥康は「サービス券を二五〇枚位を学校から大会社庶務課宛に挨拶に回って配って歩きました」

また「開店間なしでありましたので一回見えられたら一人に一枚づつ進呈し、大体一年間位やった」旨証言している(第三冊、第二四回公判調書)。

また被告人は「近所の会社に無料のビール券を配ったり、ビール券をもって来た人にもう一枚渡したりしたがその期間は二、三カ月と思う」旨供述している(第六冊第四三回公判調書)。

しかし土肥康の右証言は、他方で開店後サンドウイチマン三人を頼んで一年半位歩かせた旨証言しているのに、押符二六号総勘定元帳の営業費及び買掛金勘定の記載内容をみると昭和四二年中のサンドウイチマンによる広告宣伝は一月二九日から二月二八日までと一一月二〇日以降に行なわれているに過ぎない点などからみて信用し難いのであるが、サービス券を配った事実の存在は優に窺うことができる。

ロ ところでこの点について検察官の主張額は、「ゆたか」が昭和四〇年三月に仕入れた酒二〇本ビール(大)二四〇本を開業用として売上の推定計算から除外していることが明らかである。

しかし、ビールについて昭和四〇年及び同四一年の仕入数量を検討してみると別紙一二のとおりであり、これによると昭和四〇年四月ないし六月の仕入量が同四一年の同月に比べ高率であることがわかるから、前記被告人の当公判廷における供述にも照らし、昭和四一年六月まではビール券の配布による影響が存在したものと認めるのが相当である。

しかして、同年四月ないし六月のビール仕入量から右影響部分を除去した本来の仕入数を前年同期との対比で推定計算すれば同別紙のとおりである。そしてその年度の経費、所得の計算は別紙一三、一四のとおりとなる。

(法令の適用)

被告人京橋劇場株式会社につき

判示第一、一、(一)につき法人税法(昭和二二年三月三一日法律第二八号)第四八条一項、五一条一項

判示第一、一、(二)および同(三)につき法人税法(昭和四〇年三月三一日法律第三四号)一五九条一項、一六四条一項

併合罪加重につき刑法四八条二項

被告人大鳳産業株式会社につき

判示第一、二、(一)および同(二)につき同法一五九条一項、一六四条一項

併合罪加重につき刑法四八条二項

被告人陸橋英洋につき

判示第一、一、(一)につき法人税法(昭和二二年三月三一日法律第二八号)四八条一項

判示第一、一、(二)および同(三)、判示第一、二、(一)および同(二)につきそれぞれ法人税法(昭和四〇年三月三一日法律第三四号)一五九条一項

判示第二、一および同二につきそれぞれ所得税法(昭和四〇年三月三一日法律三三号)二三八条一項

併合罪加重につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項

労役場留置につき刑法一八条

訴訟費用の負担につき刑事訴訟法一八一条一項本文

(裁判官 池田良兼)

別紙1 物証一覧表(押符とは昭和46年様式870号の版番である)

〈省略〉

〈省略〉

別紙2

京一パチンコ店売上除外検討表

〈省略〉

新京一パチンコ店売上除外検討表

〈省略〉

別紙3-1 仮名預金入金額調(1)

〈省略〉

別紙3-2 仮名預金入金額調(2)

〈省略〉

別紙3-3 仮名普通預金入金額調(3)

〈省略〉

(証拠) 第4冊 昭和42.7.1附調査書外

(注) 外書は利子・小切手入金・その他売上除外以外の入金の可能性もある1口100万円以上の入金などを記載した。

商品仕入割合

〈省略〉

別紙4-1 売上除外額と

〈省略〉

別紙4-2 物証のある期間の仕入割合

京一パチンコ店

〈省略〉

合計額調

〈省略〉

別紙5 売上除外

〈省略〉

別紙6 玉突売上額検討表

〈省略〉

別紙9 「ゆたか」売上仕入検討表

〈省略〉

金額調

〈省略〉

別紙10 ゆたか入

関相/京橋

〈省略〉

別紙11 「ゆたか」の売上高の検討

〈省略〉

(証拠) 酒、ビール仕入 第5冊 昭42.10.20杉岡啓司調査書

(注) ビール仕入高はビールの仕入金額から従業員消費額を差引いた金額である。

別紙12 ビール仕入数量検討表

〈省略〉

ビールのサービス券配布による売上減少額の計算

4月 2,160×66.7%=1,440 2,880-1,440=1,440

5 2,160×60=1,296 2,232-1,296=936

6 2,160×70=1,512 1,920-1,512=408

7~12 =10,692 計2,784

計 14,940 売上減少額 2,784本×160円=445,440円

(ビール(大)の売価は、昭和40年分確定申告書添付書類による。)

別紙13

広告宣伝費の計算

サンドウイッチマンによる広告費

昭和41.1.29~2.28日分 51,620円 (符第26号 総勘定元帳)

サンドウイッチマンによる昭和40年分広告費

51.620円×9月=461,340円

うち検察官主張額中に含まれている同上の広告費

〈省略〉

差引サンドウイッチマンによる昭和40年分広告費

461,340円-34,537円=426,803円

別紙14

昭和40年分事業所得の計算

「ゆたか」

〈省略〉

別紙15

別口損益計算書

京橋劇場(株)

〈省略〉

別紙16

脱税額計算書

京橋劇場(株)

〈省略〉

別紙17

脱税額計算書

京橋劇場(株)

〈省略〉

別紙18

脱税額計算書

京橋劇場(株)

〈省略〉

別紙19

別口損益計算書

大鳳産業(株)

〈省略〉

営業費の明細

〈省略〉

別紙20

脱税額計算書

大鳳産業(株)

〈省略〉

別紙21

脱税額計算書

大鳳産業(株)

〈省略〉

別紙22

脱税額計算書(和年41年分)

陸鳳楼

〈省略〉

別紙23

脱税額計算書

陸鳳楼

〈省略〉

(注) 外書は他人名義申告分

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例